「受け止める」と「受け入れる」
コーチって実際には何をしているの?
と聞かれたら、
まずは「聞くこと」と答えるかな、と思います。
コーチングは「聞く」に始まり「聞く」に終わる。
そんなふうに思います。
では、聞いてどうするか?
まずは「受け止める」ことをします。
少なくとも、そうしようと努力してるかな😆
今回は、この「受け止める」について
書いてみたいと思います。
コーチングというか、
そもそもコミュニケーションは
“キャッチボール”と言われます。
投げられたボールは、まずキャッチする。
それから投げ返す。
その連続です。
当たり前のようだけど、実は難しい。
実際のキャッチボールも、
初めのうちは、キャッチし損ねたり、
投げても相手に届かなかったり、変な方向に飛んで行ったり
なかなかスムーズにはいきません。
だから練習が必要。
普通の会話は、生まれたときからやっているので、
それなりに練習ができています。
でも、やっぱりできていないことも多い。
まして、コーチングとか言って、
改まって、新しいことを始めたとなると
やはり練習が必要になります。
普通の会話でも
受け止めたということを相手に伝えるために
私たちは、うなずいたり、相槌を打ったり、
さらに「そうなんだ」とか「すごいね」なんて
言葉を発したりもします。
コーチングでも基本、変わりません。
ここで、コーチが大事にしていることが
「受け入れる」ではなく「受け止める」ということです。
どういうことかというと、
相手の話を聞きながら、
「あなたは、そう思うんですね」
と思っている、ということです。
そこには、良いとか悪いとか、評価はありません。
ただ、事実として、目の前のクライアントは
そう考えているんだ、ということを聞くのです。
そこにある、クライアントの価値観、ビリーフ、文脈・・・
そんなクライアントの「世界観」を
ただ、いったん「受け止める」。
そこで語られることを、
コーチがどう思うかは、いったん、傍に置くのです。
コーチは100%クライアントの味方、と言われますが、
だからと言って、
クライアントのいうことを全て鵜呑みにするとか、
全てに賛成するとかということではありません。
「受け止める」ことは「受け入れる」こととは違うのです。
コーチのする「受け止める」を
別の言葉で言うと、
相手の言っていることを
自分の頭の中で1枚の絵にしていく、
という感じです。
動画かもしれない。
そうすると、
例えば「みんな」ってさっきから言ってるけど、
その「みんな」って、誰なんだろう?
とか、
「大変だ、大変だ」と言ってるけど、
すごい笑顔で言ってるし、
大変って、本当はどんな気持ちなんだろう?
とか、
疑問が湧いてきます。
それがわからないと、頭の中で、絵が描けないからです。
そんな時に、コーチは質問したり、
フィードバックしたりします。
「ちょっと聞いてもいいですか?
さっきから、みんなって言ってますけど、
みんなって、誰のことですか?」
とか
「大変と言ってますけど、とても笑顔で
嬉しそうに見えるんですけど。
どんな気持ちなのか、もう少しおしえてもらえますか?」
とか。
それは別に、反論とかそういうものではなく、
シンプルに、ニュートラルに、聞く、伝える。
あくまでも、相手の“世界観”を
自分の頭の中に再現したいからなのです。
話はそれますが、
書いていて思い出すのは、
自分と夫のことです。
私は、4人の子育てを、ほぼ、
今で言う“ワンオペ”でやっていたのですが、
そんな日常の中で、夫に聞いてもらいたいことは
山ほどありました。
でも、話すと、夫は
「あなたは、愚痴が言いたいの?
それとも、答えが欲しいの?」
みたいなことを言ったり、
あるいは、
「あなたはネガティブだよね」
と言ったりしました。
私には、ネガティブなことを言うつもりはなく、
ただ、今日はこんなことがあって、大変だったんだ、
と、何気ないことを話したかった。
そして、「そうなんだ」と
聞いてもらえれば、それでよかったのです。
そう、別に、褒めてもらいたいわけでも
感謝してもらいたいわけでもなかった。
「受け入れて」もらえなくてもよかった。
ただ「聞いて」、いったん「受け止めて」もらえれば、
それでよかったんだなあ、と、
今はよくわかります。
でもそれがないばかりに、とても苦しかったのです。
自分が「こう思った」と話すことすらできない、
受け取ってもらえない、ということは、
まるで、私が今の私のままではいけないんだ、
と言われているような気がしました。
・・・で、自分はできていたのかと言えば、
決してそうではなかったなと思います。
だから、コーチングを学び始めたのですが。
私自身、これからも「受け止める」は
一つのキーワードとして、意識したいと思います。
そして、これを読んでくださった方も、
ぜひ、普段の会話の中でも「受け止める」ことを、
やってみていただければと思います。
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