私がストレングスコーチをしている理由
私がコーチングを学び始めたのは2007年のことです。
ストレングスファインダー®は、その時から知っていたのですが、
当時は、それがどれほどの役に立つものか、
まったくピンときていませんでした。
今のように深くストレングスファインダー®に関わるようになったのはなぜか?
なぜ、ストレングスコーチなんかをやっているのか、
それについて、書いておこうと思います。
コーチングを学び始めたばかりの頃、
当時のコーチに勧められて、
ストレングスファインダー®を受けてみました。
その結果を見た時は、
「ふーん。で?」
という感じでした。
初回のTop 1は「包含」。
「言われてみれば、それは当たっているけど……
これが“才能”なの!?」
と思ったのを覚えています。
ま、初めてストレンスファインダー®︎を受けた時の感想って、
皆さん、だいたいこんな感じかな、と思います。
インパクトとしては、
何か他の、占い系のものを受けた時と
あまり変わらないような印象でした。
(以降、クリフトン・ストレングスファインダー®をCSFと表記します)
そんな私が、CSFの力を知った瞬間がありました。
それは、夫のCSFの資質を知った時でした。
夫のTop5は、
1)学習欲、2)活発性、3)社交性、4)コミュニケーション、5)自己確信
でした。
これを知った時、
それまでの夫の言動が紐解けた気がしました。
そして、私の気持ちがとても楽になったのです。
例えば、夫は突然
「今度、〜へ旅行しようよ!」
などと言い出すわけです。
「学習欲」は旅行も大好きです。
夫と同じく、「学習欲」がTop 5にあった私としても
それは同じ。
行きたい気持ちは山々なのですが、
夫の設定した日程など、色々考えると、
諸々、生活に差し障りが出てきます。
だから、
「〇〇はどうする? △△はどうする?」
と、私の「戦略性」×「内省」が聞きます。
すると、「とにかくやってみたい。失敗は折り込み済み」
と思って、行動したい、自分の行動を止められる感じは大嫌いの
夫の「活発性」が、すごくイラつく。
そして、
「あなたは、できない理由ばかり探す。ネガティブだ」
と、夫は「コミュニケーション」の力も使って言うのです。
(「コミュニケーション」は考えていることを
実に見事に言語化する才能です。
時にそれは、相手の痛いところをピンポイントで突く
武器になることもあります。)
それを聞いた私は、
「え!? 私ってネガティブなのかしら?」
と、自分を責め始めてしまうのでした。
(ちなみに、私は「ポイティブ」はいつもTop 10に入ってます。)
また、夫の持つ「コミュニケーション」という資質では、
「話すこと=考えること」で
考えることと話すことは100%一致するか、
なんなら
「話すこと>考えること」で、
話すことが考えることを上回ります。
(ゆえに、話したことを覚えていないことがよくありました)
ところが、私は「内省」が高く、「コミュニケーション」は低め。
すると
「考えること>話すこと」で、
あれこれ考えた末に、そのうちの一部を話すことになります。
口から言葉が出るまでには、時間がかかります。
まして、私の場合、そこに「戦略性」が加わり、
「こう言うと、夫はこう言うに違いない。
となると、こうなって、ああなって・・・」
とどうしても考えて先を読んでしまうので、
「だったら言わない方がいいな」
みたいになって、ますます言えることが減っていきます。
その結果、夫との会話では黙ってしまうことが多くなります。
そうすると、彼の「活発性」はまたしても待ちきれなくてイライラするし、
彼の「コミュニケーション」も相手から反応を取れなくて
またまたイライラする。
そして、彼が言ったことは
「喋れないってことは、考えてないってことだよ」
という言葉でした。
これを聞いて、また、私は
「え!? こんなに考えているつもりなのに。
私の考えは足りない、浅薄だということなのかしら?
じゃあ、彼はもっと考えているってことなのね」
と自分を責め、ますます「内省」に入っていくのでした。
(そういう彼は、実はそんなに考えてないのですが・・・)
まさに悪循環。
負のスパイラル。
こんな具合でしたから、
私は彼のことは好きだったのに、
一緒に暮らしていると、辛いと感じることが
本当に多かったのです。
自分が本来の自分でいてはいけないんだ、と言われているようで、
常に、自分を責めていたのだと思います。
それが。
CSFというものを知り、夫の資質を知り、
私と夫とは資質が違っている、
つまりやり方が違っているということなんだ、
ということを知った時、
「私が悪いわけじゃなかったんだ」
と思えて、ものすごく気持ちが楽になったのです。
同時に、
「夫にわかってもらおうと思っても、それは無理な話なんだ」
ということも、少しわかりました。
その時、
「ストレングスファインダー®って、良い意味で、
“諦め”のためのいい道具だな」
と思いました。
そして、私はCSFの価値が腑に落ちた感じがして
もっとちゃんと知りたいと思うようになりました。
とはいえ。
当時もまだ、CSFのことをよくわかっていたわけではありません。
ですから、当時は、
「夫も、CSFのことをもっと理解してくれるといいのに。
自分の資質のことも、私の資質のことも理解して、
私たちの違いをわかってくれるといいのに」
と思っていました。
今も、私自身、CSFの全てをわかっているわけではないし、
CSF自体がそんなに簡単にわかるものじゃないし、
また、全てがCSFで紐解けるわけでもないし、
人間なんて、そんな単純じゃないし、
所詮、CSFも一つの道具にすぎないし、
と思っていますが、
それでも、
CSFへの理解は、当時からすると、
私なりにずいぶん進みました。
そうして今思っているのは、
「もっと早く、自分がCSFのことを理解していたらなあ」
ということです。
そうしたら、
「夫に私をわかってもらいたいと願うことに
時間を使うのではなく、
私がもっと彼の資質を理解した対応をして、
彼との時間をもっともっと楽しく、有効にできたのに」
ということでした。
でも、それは叶いません。
なぜなら、夫は私がストレングスコーチの資格を取る前の2015年に
病を得て他界しました。
ストレングスのことも、以前よりもっとしっかりわかるようになり、
実際に使っていけるはずなのに、
もっと活用したかった関係性の相手である夫は
この世にはいない。
長いこと悩んできた関係性づくりの糸口が見えたのに、
それを使える時に肝心の相手がいない。
それが残念で仕方がありません。
私がストレングスコーチの資格を取ったのは、2016年です。
夫が亡くなって、約1年後のことでした。
それまでは、家庭の状況その他で、
資格取得を諦めていた私でしたが、
夫の死を見てきて
「人ってあっけなく死んでしまうんだな」
と思ったこと、
そして、
「死ぬ時に後悔を残したくない」
と思ったことで、
それまでやりたいけれど封印していた
ギャラップのCSFのコースの受講を決めました。
受けてどうする、というのはありませんでした。
ただ、もっとちゃんと、資質のこと、CSFのことを
理解したいと思いました。
自分のクライアントさんのためにも、
そこには責任があるように感じていました。
そして、コースを受講後、
さらにCSFのこと、資質のことについて、
トレーニングを受け続け、学び続け、
昔はもっとボヤッとしていたものが
クリアにわかるようになっています。
そして、それを理解して、人間関係に活かしていくことが
どんなに有効か、ということを
さらに感じるようになりました。
そうなればなるほど、
私の中では、夫との人生の続きをすることができないことが
残念でなりません。
そんな残念な気持ちを持つ人を減らしたい。
せっかく共に過ごす人生、
もっと何倍にも楽しくしてほしい。
互いに違う資質を持つもの同士、
それらを合わせて使うことで、
最強のチームを作ってほしい。
そんなことを思います。
これは、夫婦でも親子でも、
職場の上司部下でも、同僚でも、
同じことです。
そんなことを伝えたくて、
私は今、ストレングスコーチをしています。
#ストレングスファインダー®
#クリフトン・ストレングス®︎
#コーチング